体格の良い選手ほど活躍しているのか?(@NBA 2020-21シーズン)

こんにちは、らんそうるい(@rnsr0371)です。この記事は『ガタイの良い選手ランキング(@NBA 2020-21シーズン)』の続編です。『ガタイの良い選手ランキング』では、NBA選手の身長・体重データからBMI(Body Mass Index)を計算し、そのランキングを作成しました。結果として、ザイオン・ウィリアムソン選手が最もBMIが高く、ガタイが良い選手ということになりました。
 そこで、次なる疑問は体格の良い選手ほど活躍しているか? というものです。体格の良い選手ほど得点が多かったり、リバウンドが多そうですが、先に結論を書くとBMIと得点・リバウンド・アシストはほとんど相関しない。すなわち、BMIで評価した体格と活躍はほとんど関係がないということが分かりました。この結果はちょっと意外でした。
 分析に用いたコードとデータはGitHubにアップされています。言語はPythonです。ご興味のある方はぜひご覧ください。

分析

要約統計量

NBA選手の年齢・身長(cm)・体重(kg)・BMI・得点・リバウンド・アシストの要約統計量を次のテーブルに示します。BMIの平均が24ということで、一般の人(*BMIは22で標準体型、25以上で肥満と解釈されます)と比べてNBA選手の体格はかなり良いことが分かります。やっぱNBA選手って凄いんだなぁ……

年齢とBMIの散布図

『ガタイの良い選手ランキング』でBMIの低い選手は若手が多いのではないか? という考察をしました。この仮説を検討するために、BMIと年齢の散布図を描写しました。その結果、弱い相関ではあるものの、年齢が高いほどBMIも大きくなるという関係があることが分かりました。この結果は、若手選手はフィジカルトレーニングの成果がまだ出ておらずBMIが小さくなる傾向があるのを意味しているのではないかと思います(BMIの大きい、体格の良い選手しかNBAでは生き残れないという可能性もあります)。

BMIと得点・リバウンド・アシストの散布図

体格の良い選手ほど活躍しているのかを検討するために、BMIと得点・リバウンド・アシストの散布図を描写しました。その結果が次の図(左からBMI-得点、BMI-リバウンド、BMI-アシストの散布図)です。カラーバーは身長(cm)を示していて、各データは黄色っぽくなるほど身長が高く、紫色っぽくなるほど身長が低いことを表しています。
 もし体格が良い選手ほど活躍しているとすれば、散布図上で各データが右上がりの一直線に並ぶはずです。しかし、実際の散布図たちはそうはなっておらず、散らばっています。これは相関係数が低いときに見られるパターンの一つです。BMIと得点・リバウンド・アシストの相関はほとんどないことが散布図たちから分かりました。したがって、BMIで評価した体格の良さと、得点・リバウンド・アシストで評価した活躍度合いは関係がないということです。

身長とリバウンド・アシストの散布図

 BMIとリバウンド、BMIとアシストの散布図を見ると、リバウンドの多い選手(散布図上で上にいる選手)は点が黄色っぽいことが分かります。また、アシストの多い選手は点が紫色っぽいことが分かります。そこで、身長とリバウンド、身長とアシストの散布図を描写したのが次の図(左から身長-リバウンド、身長-アシストの散布図)です。
 身長とリバウンドの散布図では右上がりの傾向が見られ、身長が高いほどリバウンドが多いという関係が見られました。相関係数は0.433でした。また、身長とアシストの散布図では弱いながらも右下がりの傾向が見られ、身長が低いほどアシストが多いという関係が見られました。相関係数は-0.287でした。
 身長とリバウンドに正の相関関係が見られることは、バスケというスポーツの特徴、すなわち身長の高い選手はゴール周りでプレーすることが多いこと、身長の低い選手はゴールから離れた場所でプレーすることが多いことに起因するのだと思います。身長とアシストに負の相関関係が見られることは、身長の低い選手はガードを務めることが多く、パスが上手なことが多いのに起因するのだと思います。

終わりに

この記事ではNBAのデータを用いて、BMIで評価した体格が良いほど得点・リバウンド・アシストが多くなるかを調べました。その結果、BMIと得点・リバウンド・アシストにはほとんど関係がないことが分かりました。一方で、身長が高いほどリバウンドが多い、身長が低いほどアシストが多いという関係が見いだされました。身長とリバウンド・アシストの関係は、バスケでは身長によってプレーするエリアやポジションがだいたい決まってしまうことに起因するのだと考えられました。
 体格の良い選手ほど活躍しているのではないか? と思って始めた分析なのですが、実際にはそうなっていなくて意外でした。もしかしたら、選手の体質ごとにベストな筋肉量があって、BMIが大きければ良いとは一概には言えないのかもしれません。パワーとスピードがトレードオフになっていて、それらのバランスを取ることが重要なのかも……

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