【バスケのデータ分析】トップダウン・ボトムアップなデータ分析 revisit

こんにちは、らんそうるいです。最近、ありがたいことに「(仕事と通じて)らんそうるいさんは何がやってみたいですか?」というご質問をいただくことがあったのですが、答えに窮してしまったので、きちんと考えてみました。このご質問への個人的な答えは「バスケットボールの数字の分析を通じて、バスケットボールに新しい解釈を付け加えたい」というものです。

そのための作戦を考えるために、この記事では、2021年10月27日に投稿した以下の記事を再検討したいと思います。(バスケ完全理解とか書いてて恥ずかしい……)

サマリ

  • 「バスケットボールの数字の分析を通じて、バスケットボールに新しい解釈を付け加えたい」というのをもっと具体的に書くと「バスケットボールの数字の分析を通じて、勝利と関連の強い、新しいプレー(=ベーシックスタッツ)を見つけたい」。
  • そのための作戦の概要は下図。1ポゼッション内で選手の貢献度の評価を行えるようにした上で、貢献度とトラッキングデータの関係を分析する。そして、貢献度を高めるパターンを見つけて、新しいプレーとして集計する。と、目標が達成できる……?
自分で書いた記事を自分で再検討してみました。

バスケのデータ分析の概観━━扱うデータの種類と目的

分析の目的
データの種類チームの勝利選手の怪我の予防
映像
数字この分野を扱いたい
この章で述べたいらんそうるいのポジショニング

バスケのデータの種類

バスケのデータ分析と一口に言っても、その「データ」には2種類あると感じています。一つ目は数字、二つ目は映像です。

もう少し具体的説明すると数字の分析とは、スタッツの分析やトラッキングデータ(走行距離、スプリントの最高速度など)の分析などが代表的で、基本的な分析ツールは統計学です。一方、映像の分析とは、試合中の鍵となるプレイを編集した動画などがアウトプットとなり、基本的な分析ツールはHudlやSplyzaといった映像解析ツールになります。

私の分析の中心は、バスケの数字の分析なので「バスケの数字の分析に基づいて」バスケットボールに新しい解釈を加えたいと思っています。

バスケのデータ分析の目的

バスケのデータ分析には目的が二つあると思っています。「試合に勝利すること」と「怪我を予防すること」です。これらは「継続的に勝てるチームを作る(=優勝する)」という目標に対するサブ目標なのですが、分析の毛色がやや異なるので、「勝利」と「怪我予防」の粒度で扱います。

自明な話ですが、試合に勝利することがバスケットボールという競技の目的であり、怪我を予防することが目的ではないので、勝利と関連づけながら「新しい解釈を加えたい」と思っています。

バスケの数字の分類━━トップダウン・ボトムアップと時間分解能

バスケのデータでよく見かけるものを私なりに整理すると、以下のようになります。

縦軸:トップダウン-ボトムアップ

縦軸の「トップダウン-ボトムアップ」は数字の抽象度を表しています。(前回の記事を踏襲してトップダウン-ボトムアップという単語を使いますが「抽象的-具体的」と解釈した方が分かりやすいと思います)

  • トラッキングデータは選手の動作(ダッシュやジャンプ)の量・強度を集計したものであり、最も具体的です。
  • プラスマイナスは出場時間中の得失点差を集計したものであり、最も抽象的です。
  • ベーシックスタッツは、一連の動作に意味的なまとまりを与えてプレーと定義し、そのプレーの量を集計したものであると整理したいです。意味が与えられている分、抽象度がトラッキングデータよりも高いです。
  • アドバンスドスタッツは、プレーの効率を表す数字です。プレーの量ではなく効率なので、ベーシックスタッツよりは抽象度が高いです。

最も具体的なトラッキングデータが最も解釈しやすいわけではないことにご注意ください。数字データに限れば、解釈しやすいのは、ベーシック・アドバンスドスタッツだと思います。これは「プレー」というバスケ的に意味のあるパターンに、動作が整理・分類されているためです。

バスケットボールの数字の分析を通じて、バスケットボールに新しい解釈を付け加えたい」という目標を上図に沿って説明すると「トラッキングデータを意味のあるまとまりに整理・分類して、勝利に関連する新しいパターン(=プレー)を見つけたい」ということになります。もっと平たく言えば、新しいベーシックスタッツを定義したいということです。

横軸:時間分解能

時間分解能とは「どれくらい短い間隔で測定が可能か」を表しています。トラッキングデータは1ポゼッションどころか1秒単位で測定ができるので、時間分解能が高いです。一方、プラスマイナスなどの貢献度を測定する数字は1シーズン以上のデータが必要になるケースがあり、時間分解能が低いです。ベーシック・アドバンスドスタッツの時間分解能はトラッキングデータ未満・プラスマイナス以上に当たるでしょう。

私の作戦とも関連する注目ポイントは、トップダウン-ボトムアップという縦軸と、時間分解能という横軸が無関係ではなく、相関していることです。つまり、時間分解能が高いトップダウンな数字がないということです。

らんそうるいが採る作戦

作戦をまとめると以下のようになります。

まず、貢献度の数字の時間分解能を高めます。すると、1ポゼッション内でトラッキングデータとの関連が分析できるようになります。分析を行えば、おそらく貢献度の高い動きが類型化できるのではないかと見込んでいます。類型化した動きから定義を考えて、それを集計すれば新しいプレー、ひいては「バスケットボールに新しい解釈を付け加え」られたことになります。貢献度と関連したプレーであることを大事にしたいと思っていて、それは「勝利と関連したプレーである」ことが担保されるからです。

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